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脇坂俊郎水彩画文集Ⅰ〜3(No.84~130) [画文集「かくもながき愉しみ」]

ここからは平成20年1月~21年3月の間に描いたものを収録している。
この時期、体調がもうひとつだったといえ、描いた絵は、撮影した写真をソフトで修整しないとHP にアップロードするにはしのびないような出来の絵ばかりであった。
今回、本のかたちにするにも枞や縁どりに背景色をいれるなど、絵をそのままで掲載するのではなくいわば装飾した。
絵を額縁に入れて、すこしでも立派に見せようというのと同じくなさけない魂胆である。
自画自賛 絵は、自分が少しは上手いと思わなければ描かないだろう。他人と比べてでは無く自分の他の才能に比してという感覚である。
実際に描いて見て、こりゃだめだと思うのは、自分の理想と実力の差が分かるからだが、いや練習すればもっと上手くなる筈とおもうのは自惚れか、自分の能力、力を分かっていないからか。
自分の絵に満足出来ないのは、向上心からと言えば聞こえがよいが単に欲だけかとこの頃思う。
これが実力、これで良いのだ、いいところもあるではないか、となぜ思わないのか。
そう思えば描いていて楽しいに違いない。
ぼやきもおおいに減るというものだ。
(23.12.10 ) 原画と写真画像 デジカメ写真で水彩画を撮り、HP にアップしたり、ポストカードにしたりiPad で眺めたりしているが、カメラ、液晶、印刷技術の進歩の恩恵に浴しているなとつくづく思う。
安いし、扱いが簡単なのが何よりである。
携帯端末、PC 間のデータのやり取りもクラウドの出現以来本当に楽になった。
しかし、絵を描く者にとって気になるのは原画と写真、画像との違いである。画像処理技術の進歩で明度、色合いなどかなり変えることが出来るので原画と似てもつかぬ素晴らしい画像になる。しかも写真は原画より小さいので縮小の結果、小さなアラが目だたなくなる。
総じて画像の方が奇麗になり、へぇ、こんなに上手いのかと錯覚しかねない。
きっと油絵や水墨画などより水彩画の方が光が重要だから、明るく調整すると窯変とまでではないが良くなるのだろう。
印刷も同じことである。
油絵の絵本は少なく、水彩の絵本が多いのはこのことによるのに違いない。
(23.12.20)

84 花
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花をいきいきと描くのは本当に難しい。
そこで壺の形と色が面白いなどと言って花器も描く。
また、少し全体を左に寄せて描いたりする。
これもみんないきいきと花を描けないので逃げている感じだ。

85 鏡
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少女のトルソやキリンの人形などの静物と鏡を描いたもの。
左はssさん、右はskさんが鏡に写っている。
鏡の面がなかなか表現出来ない。
上手な人のをみていると、まさにさっと描いて「らしく」なっているのだが。

86 08カレンダー
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カレンダー用紙は特別な紙である。
紙のせいにするわけではないが、うまく水彩絵の具が乗らないような気がする。
毎年何を描いたらよいのか迷う。何を描いても一年間見ていたら飽きないわけがないし、一年間見るに堪えるかが問題だ。それにしても人形は難しすぎる。何度描いても人間のようになる。
人を描くと人形のようになるのにやっかいなことだ。

87 紫のワンピース
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右が完成した絵。左はアンセリウムの絵を小さくして絵の上に貼り付けて写真に撮った。コラージュである。題して「絵のある部屋で」。
この絵でいえば右の余白に何を描くかによって雰囲気は当然変わる。たいていは失敗する。いっそ描かない方が良い場合もある。
左をグループ展に出品した。

88 和服
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この絵のポイントは膝の緑色。
自分では、まず使わない色である。
プルー調の冷たさが少し救われるという。
あとは左の肩。
白を残せば少しなで肩が目立たなかったかも知れないような気がする。

89 アネモネと静物
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同じモチーフを2枚描いた。左が最初で右が2枚目。右は途中でやめた。
左の1枚目を塗りすぎてうまくいかなかったので。がまんを覚えないと水彩はだめとか。
がまんは体に悪い。

90 知床連山
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 この絵は19年2月頃描いた絵。一年後出してきてガリンコ号を山と網走差の間の流氷に入れた。見た風景写真は、網走差の観光課か観光協会だったかのもの。ガリンコ号はネット上の写真を参考にしたが、大き過ぎはしないか。
実際に見たことがないので想像するだけである。こんな寒い年に流氷を見にいく元気は残念だが、ない。

91 有明山けぶる
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 同じ写真をみて2枚描いた。上が最初で下が2枚目。何枚描いても上手くならない。
水彩は悩み多き画材ではある。
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No67と同じ位置からの写真を今年の冬に撮ってもらったものが下の写真。
これを見れば何を描きたかったかが分かろうというもの。
雲がかかっている有明山だ。

92 古いカバン
カバンの中にある皿の向きが変。
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手前の青い己も変。
青いリンゴも変。こりゃだめだ。
後ろの壁?はどうすればもっとかばんから離れるのだろうか。右に何か描いたほうがよいのか。
わからん。

93 啓翁桜

山形の早咲きの桜。花は染井吉野よりかなり小さい。
敬翁桜とも呼ばれていたブランド統一で啓翁桜になったとか。
山形はさくらんぼでも有名である。
佐藤錦などを販売している業者が切り花用のこの桜を扱っているようだ。
描いているときに背景を暗くして白絵の具を使いたい誘惑に駆られる。

古代壺の啓翁桜華やぎて 杜 詩郎

94 牡丹
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この絵は実際には、もっとおどろおどろしい。
例によって、絵具を重ねた。ボタンの花らしく描こうと思えば思うほど底なし沼のように深みにはまる感じである。

ためらはで剪る烈風の牡丹ゆゑ 殿村莵絲子

95 白いポット
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白いやかんや秤などが白い己の上に置いてある。
白いやかんの形を辿るだけで時間がとられ、課題の白い基調と光や影がおろそかになる。いつものことだが情けない。

96 ロシア民族衣装
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この絵は、右に何か描こうと思って左に寄せたが、何か描くとまたつぶすことになるのでやめた。腕のシースルーやスカートの大柄の模様などが絵の練習材料だが、いずれもイマイチ。
バックのモスグリーンは、まず自分では使わない色である。暗いと思っていたが、意外に明るいのにびっくり。なんでも使って見ないといけないと反省。

人物画 カルチャーの「人物」とは、コスチュームの女性がモデルの絵のことである。
いわゆる人物画とは多分違うのだろう。
コスチュームは民族衣装やフラメンコなど多様だが、普段着もある。
先輩の話では、昔は男のモデルもあったとのことだが、今はない。
なくて良い。
人物はプロポーションの練習になると思うので、出来るだけ頭から足まで全体を描くように心がけている。
上半身だけとか足の途中で切る人が多いが、これはかえってむずかしい。
見る人に描いてない部分を想像させて味のある絵になるのだろうが、まだまだそのレベルに達していない。
頭など部分から描きはじめて結果として途中で足などが切れてしまうというていたらくが多い。
(20.6.23 )

97 新宿御苑の桜
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4月4日にスケッチした2枚。御苑の三大八重桜。
イチヨウ(一葉)、ウコン(鬱金)が満開、ギョイコウ(御衣黄)はまだこれからという時期。明日は首相の観桜会とかでテントの準備の最中であった。桜は、描きたい画材ではあるが難しい。ゆりの木を描いたり、新緑を描いたりして際立たそうとの意図だが成功していない。

98 ねじれ国会
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4月25日にスケッチした2枚。雤かと思っていたら快晴。国会議事堂正門前にある和風庭園から。右はペンで最初に描いたもの。
ねじれてこそいないが、国会議事堂の縦横比が変。
左は少し角度を変え、ズームアップして鉛筆で走り描き。似たような下手な出来。
クイズ番組から得た知識だと建物は墓・ツームストーンを真似たものとか。
実際に描いてみるとなかなか難しい。見なれた議事堂にならないのである。
それにしても、中ではなんということをやっているのか。
絵にもならないことに血道をあげて。のんびり絵を描いていても申し訳ないと思わないのは情けない。

99 緑のスカート
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久しぶりにアルシェで描いた。どうも鉛筆は硬めが良いようだ。それと気がつくのが遅い。
緑のスカートはひだひだがあって難しい。己の感じをだすのはまだまだのようだ

100 マーガレット
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 この絵も描いていると背景を暗く黒く塗りたくなる絵だ。きっと花が浮き出てくるのではないかという気がする。いずれやってみようと思う。
花のかたまりに見せるためには、下の方にピンクの花を多く描けばよいとか。かなりのハイテクニックである。

マーガレット東京の空よごれたり 阿波野青畝     マーガレット束ねて消ゆる悔ならず 岡本 眸

花の絵 花の美しさなどというのはなくて、美しい花があるだけと言ったのは誰だったか。
何はともあれ生き生きした美しい花を描きとめるのはつくづく難儀なことと思い知らされている。水彩画に限ったことではないだろうが。

花の絵 
 教室では3 年8 カ月余ですでに26 回も花を描いた。
正直のところ毎回挫折感だけが残る。
しかも色を塗り重ねて暗くしてしまい終わったあとの気持ちも暗くなっている。
情けないがこれから何枚描いてもきっと同じことのような気がする。途中でやめることが出来ないのである。塗ればもっと良くなると錯覚して結局自滅する。分かっていてもやめられない。

101 佃島
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上は現地でスケッチ。
 佃小橋の上にイーゼルを立てた。黄色の船を描きたかった。根気がつづかず1時間半程度で止めてしまった。左上に見えるのは住吉神社である。
佃島は朝ドラの舞台。良く赤い佃小橋が登場する。
ドラマは見るのが辛いくらい運びが拙いが、林立する高層マンションに囲まれながらも昔の下町に面影を残した月島の街の風情はなぜかほっとするものがある。
体調がもう一つとはいえ、絵が仕上がらずやめたので情けなくなって反省し、帰りがけに撮ってきた写真を見ながらペンで描いたのが下の絵。
かなりのスピードで潮が引いていくのが良く分かる。
春の潮は干満の差が大きいという。
水はこんなに青くはないが、ハゼかなにかの稚魚が群れて時折きらきら光るのが見えた。
それにしても何枚描いても風景は難しくて往生する。それだけ奥が深くて面白いということか。その域に達するのは何時のことやら。(20.9.20 )

102 ポットとシュガー入れ
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 ガラスの上に置かれたコーヒーポットと砂糖入れ。そしてバラのドライフラワー。
モデルの写真と比べると一目瞭然。絵は、光を捉えていない。ペンの動きもぎこちない。
ガラス板も形が変。すべてが「反省」。
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水彩画のおけいこ集 カルチャー教室に通って3年9か月が過ぎた。そこで人物、風景、花、静物と分野?別にカリキュラムに従い、撮っていおいた作品(デジカメ写真)を日付順に整理してながめて見た。分かったことは、 1 はじめて一か月くらいは少し上達した(ような気がする)。
2 あとは長い混迷状態が(今もなお、だ)続いている。
3 たしかに鉛筆の線は慣れのせいか少しは自然な運びになってきた。
4 色の重ねすぎが治らず混迷、混濁の度を深めている。
5 従って絵から光がだんだん消えて透明感が無くなってしまう。
6 やめ時=仕上げ時が掴めない。
日暮れて道遠しの感が深い。(20.7.16)

103 花二題
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 右は、新宿熊野神社のスケッチが雤で流れたときに描いた。紫陽花は2 回目。
左は、アンセリウムの2 回目。
教室も4 年も通うと教材が前と同じになる。絵もマンネリだ。しかも1 回目より必ずしも上達していない。
1 回目の紫陽花は、塗りすぎたことを良く覚えている。出来るだけ淡く淡くと思いつつまた、塗りすぎた。
左の絵は、壺の形が面白くて描いたが、もっと花の色を重ねたい誘惑に駆られる。
白百合多花撥け疑問符・感嘆符 中村草田男
20.6.21 花二題 アンセリウム2 ペン F8 紫陽花 F6 鉛筆 花の絵 4 年間の花の作品を並べてみると次のことがわかった。
① 練習だからと、出来るだけモデルの花を忠実に描こうとしてきたので、出来上がった絵に面白味がない。
② 構図もありきたり、色も固有色にこだわっている。
③ 習い始めから最近のものまですべて光を捉えていない。
④ 背景バックの処理がわかっていない。
(20.9.25 )

104 フラメンコ
フラメンコのコスチュームも2度目。
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上は教室で描いたものを家に帰って手を入れた。
どうしてもバックが上手くいかずに金を苦し紛れに塗った。
下はオアソビで左の絵を見て色紙に描いてみた(上と同じ10号・鉛筆)。
カラー用紙は白が使えるので光の勉強になるのではないかと思ったのだが、意外に難しい。
もう少し練習の必要があるようだ。
座っているように見えるので椅子は省略した。

105 人形2
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 人形は何度か描いたが、人形だけがモデルの絵は、これが2度目である。
人形は難しいが、魅力的な材料ではある。
全体のかたちもなかなかとらえられないが、やはり命はやはり顔だ。
人形の眼にならずにどうしても“ヒト”になってしまう。
トリミングして顔だけを少し大きくしてみたのが下の絵。また、挑戦してみたい。

106 ランプ
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上は鉛筆。下はペン。
2週間つづきなので2枚描いた。
静物は、いったい何を学べば良いのか、今もって理解出来ていない。
かたちを捉えるのか、やはり色であろう。そして、光。構図はどうなのか。
見る人は何を見ようとするのか。
混迷している。
現在国立新美術館で公開中の「静物の秘密」でも見ないと分からないのだろうか。
いずれにしても困ったものである。

107 絵に描いた桃
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 藍胎(らんたい)漆器に盛った桃。絵に描いたモチならぬ桃だが、文字どおり美味しそうに見えない。
圧倒的な存在感も捉えられない。
とくに赤い桃の産毛の生えたような肌の質感など絵は現物にほど遠い。
まだまだである。
ずっしりした白桃の存在感から昔暗記した「在り、居り、 侍り、いまそかり」を思いだした。

白桃やありをりはべりいまそかり 杜 詩郎
 だが、これは梨の実を描いた時の方が良いと、後で気づいた。しかし梨はもっと難しいに違いないので描く意欲が湧いて来ない。

108 ひまわりとトルコ桔梗
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  夏の向日葵の季節から桔梗の、竜胆(りんどう)の秋へ・・・過ぎてみればその移りゆく時の流れの速きこと、怖いばかりだ。
それにしてもトルコ桔梗は名ばかり、ききょうとは似て非とはこのことか。
向日葵の一茎一花咲きとほす 津田清子
 ふっくりと桔梗のつぼみ角五つ 川崎展宏

109 静物二題
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 電気スタンドとホトトギス 上の電気スタンドは、黒のカーテンが背景。
先生はもっと黒くした方が雰囲気が出るとおっしゃった。濃いブルーに茶を混ぜて見よと。

下はホトトギスの花とトルソ。
トルソはどうしたらもう少し奥へいくのだろうか。

110 乃木大将の厩舎
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 乃木神社のとなりにある乃木邸。敷地内に愛馬の厩舎がある。煉瓦づくりだ。今で言えば高級車庫か。
公開の殉死の座敷昼の月
   木漏れ日や煉瓦の厩舎秋高し 杜 詩郎

111 新宿御苑・秋
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 木は、黄葉した2 本のゆりの木。遠景は左がNTT のビルで右が新宿西口の新しいモード学園ビル。
この絵はほとんど現地で描き、手を入れていない。
今の力量では、ペンだと現地でこれだけ描きこむのはしんどい。
反省 遠景が少し濃い。ゆりの木はもう少し大きい。木の下はもっと暗い。etc。
No97新宿御苑・春と対にして21年の年賀状に印刷し使用した。心臓である。

112 さつまいもと09カレンダー
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 左 先生が並べたモチーフをすべてそのまま描いた。らんぷとバイオリンが秋の野菜と果実に埋もれた。絵も焦点が定まらない。
 右 09カレンダー用紙に描いたポインセチアはもっと赤い。葉も濃い緑だ。
 この花も捉えどころが無く難しい花である。

113 花 とクリスマスリース
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 左はバラやユリ、ガーベラなど。壺は前も描いている。2回目。右はクリスマスリース。
紙はホワイトワトソン。8号のペンはしんどいがかなり絵の具を重ねることが出来る。

静物画 教室では、静物の時間が最も多い。
 花と静物、風景と静物など組み合わせが多様なうえ、細密画が加わったり、写生会が雤で室内の静物に変更になったりするのがその理由であるが、何を学べば良いのかもう一つ分からないところがある。
分からないので出された素材を出来るだけすべて描くようにしている。
従って構図の勉強には全然ならないことになる。
楽器や果物、器物などのかたちを掴むということに精力を費やして終わる。
光と影を捉えるのも部屋のなかではあちこちから電気の光がくるのでなかなか容易ではない。日暮れて道遠しの感を否めぬ。(20.6.20 )


114 バレリーナ
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 上はカレンダー用紙に描いたもの。
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同時にペンで同じものを描いてあとから着色したのが下。
用紙はホワイトワトソン。
いずれも人体の上半身と足のバランスがとれていない。
従ってなんとなくモデルは休んでいるのに見ている方は安らいだ気分になれないのが悔しい。

115 静物ドライフラワーと花
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 09グロリオサ 左は暫く放って置いた絵に手を入れたもの。
少しはっきりしてきたが、当然ながら余り良くはならない。
右はもう少し手を入れたいところでやめたもの。
手を入れるとまったく違う絵になるような気がする。

116 わかさぎ釣り
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 例によって雪景色の練習。
 もとになった写真は北欧かどこかの凍った湖か、わかさぎを釣っている人のいる風景。
なんとなく日本のわかさぎ釣りにも似ていておかしい。風除けがないのは日本より暖かいのだろう。
絵としては、教会の塔を描きたかったのだが、 淋しいので前景に釣り人を入れたために焦点が二つになりぼけた。
きりもなく釣れて公魚あはれなり 根岸善雄

117 グロリオサとリーリー
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 猫は、毎日見ているのに実際に描いてみるとなかなか猫にならない。
 しかもモデルの我が家のリーリーはもっとカワイイ。
 グロリオサは、難しい形をした花である。
二つともやっかいなモチーフを選んだものだ。
今年は、教室で描いた絵にロクなものが無かったので、グループ展に出展する2枚のうちの一枚は家で描いたこの絵にすることを早くから決めていた。仕上がりはいまひとつだった。
下は着色する前のペン。

118 09フラメンコ二題
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 今年は、年一回(3月16日~22日)のグループ展に出品する作品が無くて往生した。
いかにも教室では「多作多捨」の1年であった。体調不良、絵は乱調、美は乱調になし、とは我ながら言い訳がましい。
この2枚は展示会直前の3月6日と3月13日に描いたフラメンコ・コスチューム。
結局、直前の2週に描いたうち下の絵をすべりこみで出品した。
右は、2週目13日になぐり描きしたものを家に帰って修正したもの。
いつも2週続きのときは二人のモデルさんが登場するのだ。

 ここからは21年9月から22年10月までの絵を収録した。
なお、画集のなかの日付は制作日でなく絵をサイトにアップロードした日である。
あらためて添えた文をみると、ほとんどが嘆き節である。ぼやき続けている。良いところも少しはある筈で、毎回なんとかそれを探そうとするのだが・・無い、それで自嘲文になる。
反省 しっかりと今の時点で、反省点を整理しておくべきであろう。

1基本的なデッサン力不足。線がおずおずしていて、勢いが無い。思い切りがわるい。
 いつも欲が出て抑えられない。
 やめ時が分かっていない。
2風景画は近景、中景、遠景のことが身についていない。現場で何を描きたいかを決めずに描き始める。
 空気が描けない。風もだ。
 光はもとよりだが。点景の扱いも下手。
3花や静物画でも、光と影を良く見ていない。したがって光を捉えていない。背景では奥行きが表現出来ていない。
4人物画では、線と面の着色が分かっていない。
 また、背景にいつも四苦八苦している。
課題 見えている課題は
 1屁理屈いわずにデッサンの練習、沢山描くこと。
2今の実力はどうしようもないと悟り、絵具を重ねずなるべく早くやめること。ここまで・・という諦め と潔さ。
  3光と影を良く見ること。背景はさっぱりと描くこと。
見えていない課題は 沢山あるだろうが、欲を出さないのが一番。

製本と電子書籍 水彩画の教室に通うこと7 年余。
この間に描いた絵の枚数は膨大になる。
普通ひとは気にいらない習作は捨てるが、何故かほとんどもっている。
いつかは捨てねばならないことは分かっている。
しかし下手な絵にしても、これを描いていた長い自分の時間を思うと破る気になれない。
誰も見るものはいないのだが描いた絵に文をそえてHP に掲載してきた。
もう10年以上になる。
それをB5 の画集にして5 冊の電子書籍にして眺めていたが、どうしても紙の本を作りたくなった。
やはり古い世代の人間なのだ。
今回、製本するにあたって編集し直してA4 版としたのには、わけがある。
印刷する場合には、B5 版は紙が少ないのでB4 を買ってきて半裁せねばならない。
これが結構大変なのである。

119 人形と二つのトルソ
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 このところ、カラー用紙ばかりに描いている。
鉛筆が走るので描くのにほんの少しだが、力が要らないような気がする。
体力と気力が続かないときに持ってこいの素材である。
白の使い方がポイントだが、まだよく分からない。

120 栂池
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 一年前に描いたのを修正した。一年前の小旅行を想い出しながら。
なかでも緑のなかに点々と湿原にひろがっていたわたすげの白が印象に残っている。あと鶯。8月初めだったからたぶん老鶯か。その鳴き声は美しく巧み。

121 西瓜
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 このスイカは実際に赤いのだが、絵としては上の方をもっと薄いピンクにした方が綺麗だ。
印象を描くか、リアルに描くか。いつも中途半端だ。

122 ざくろとバイオリン
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 テーブルクロスの上にざくろとバイオリンが置いてある。それを上からみて描いた。
あまり描いたことのないアングルで難しい。
それとざくろも特徴のある果物だがなかなかざくろにならない。最後にパステルの助けを借りた。

123 トルコの踊り子
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 トルコの踊り子をカラー用紙(キャンソン)にその上半身を描いた。
 モデルは日本人なのでコスチュームとどこかチグハグな感じがすることは否めない、が、しかたないことか。
それにしても、もう少し何とかならないものかと8B の鉛筆を使ってみた。

124 新宿
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  新宿住友ビル4階の窓から西口方面を見た風景。
真ん中は新宿センタービル、その向こうが新しいコクーンビルでその左は三井ビルと安田生命のスカートビル。
描くのに要した時間は1時間半、もっと時間があればと思うが、また色を重ね過ぎるのでこの程度が良いのか。新宿西口周辺は、不況と言いながらもなお進化している。

125 秋の風景1
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写真を見て描いたもの。場所は不明。
紅葉の道が为題だが、淋しいので左下にリスを入れたが訳の分らぬ小動物になってしまって失敗。

126 秋の風景2
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 写真を見て描いた2枚目。場所はご存じ箱根。芦ノ湖の海賊船である。
 富士山はもっと低い位置にそびえているが、敢えて掛け軸風に高い位置に描いてみた。
鳥も飛ばした。
なにやら、ある先輩の絵に似てしまった。

127 洋梨 ル・レクチェ(Le Lectier)
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 正式にはルレクチエと表記することになっているとか。北フランス原産、だが栽培が難しくフランスではもう生産されていない。日本では新潟産のものが差場にでる。甘くて香りが良い。山形のラフランスより一回り大きい。
追熟が40日ほどかかり食べごろが難しくその期間が短いのが特徴という。

絵の愉しみ 「好きこそ物の上手なれ」とは嘘である。
また、沢山描いたから、長いことやっているから上手になるわけでもない。持って生まれた才能というものもあろう。
一方で、絵は上手でなければならないということは無い。人の心を打つ良い絵は上手、下手とは関係無いようである。
基本的技術というものはあろうと教室に通っているが、それもなにやらおぼつかない。
人の心を捉えることが無くても、描いている本人が楽しければ良い、という方が納得感がある。
人がどう見るか、見て何と言うかは率直に言って気にはなる。しかし、それもどれほどのことも無い。
(23.12.13)

128 リーリー3題
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 我が家の猫は、名前をロシアの女優リーリー・ソビエスキーからとったというだけあって美形である。
そのうえ、出自がノラと思えないくらい気位が高い。
猫を飼う醍醐味のひとつである”だっこ”をさせない。捕まえると身をよじって逃げる。
それでもカワイイ。このカワイイを絵で表現するのは至難である。何度描いても失敗する。
いずれにしてもいまのところ絵の題材としては、面白いので時々は描きたいと思っている。
21.12.17 はがき大 鉛筆

129 2010カレンダー
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 シクラメンは何回描いてもうまくいかない。ポインセチアもだが。いずれもクリスマスやカレンダーの時季になるとこれらが登場する。この絵も花が少し鉢や葉に比して大きい。

130 羽子板とパン
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左は、正月らしく紙風船と独楽もある。右はフランスパン。

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